はじめまして、シャニカマと申します。
昨年まで東京のスマホゲームを作る会社で管理の仕事をしていましたが、みうらじゅんになりたいという夢が捨てきれず退社。そして半年前、企画の実力をつけようと、株式会社人間に企画書を100枚持ち込んでバイトとして拾っていただきました。今でも面白い企画を作るための修行を積ませていただいております。
ただ、夢は「みうらじゅんになること」なので、企画力だけではなく“文才”も必要です。そこで人間編集部の編集長トミモトさんにライターデビューさせてほしいと懇願したところ「気になるライターさんのインタビューしていいよ」と快諾いただいたので、今回の記事を書かせていただくことになりました。
さて、そんな私が今回インタビューさせていただくのは、かのうしゃちょうです。
デザイン会社の社長でありながら、ライター業もこなすマルチな才能を持つかのうしゃちょう。
この方が書く記事は一見「くだらない」と思えるような、ある意味で幼稚な発想ですが、それを企画として昇華させてしまう驚くべき企画力の持ち主です。
例えば……
「プロの料理人が完全再現!『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の料理を作った」
ゼルダのゲームに登場する料理、通称「ゼルダ飯」を完全再現してみる記事。
「【予算15,000円】どうせ毎日スタバに行くので自宅にスタバをつくってみた」
東急ハンズとセリアにあるものだけで、家にスタバを作る記事。
他にも「京都の『碁盤の目』を使って五目並べできるのか実際にやってみた」とか、「公園の砂場に枯山水を作った」などなど……
なぜこんなに面白い企画がポンポン思いつくのか。
同じく「企画者」という道を志す者としてぜひとも知りたい。
ただ、普通に話を聞いても「企画力をつけるための秘訣」なんて分かりません。
そこで今日は一緒に企画会議をしながら、その秘訣を探ってみたいと思います。
笑顔がぎこちない著者(左)と笑顔になれないかのうしゃちょう(右)
まだ初対面で緊張しているのでいきなり企画会議はせず、まずはかのうしゃちょうの経歴をじっくり聞いていきます。
よろしくお願いします。
早速なんですが、かのうしゃちょうって「社長」なんですよね?
そうですよ。CHAHANGという会社でデザインのお仕事をさせてもらってます。
いつから独立したんですか?
もう大学卒業前から。
え、就職してないんですか!?
はい、あんまり就職する意味がわからなくて……。
なるほど……。でも独立するということは元々デザイナーを志していたんですよね?
いや、そういうのも無かったです。デザインし始めたのも大学からですし。
え、大学から!? それで独立できるんですか……?
できましたね。大学3年生の時にリアル脱出ゲームで有名なSCRAPという会社のスタッフとして働くことになって、その時に看板とかPOPの制作をお手伝いしたのがキッカケです。徐々に「仕事」としてデザインを任されるようになって会社を作りました。
なりゆきですね……
完全になりゆきですね。
……
えっと……ライターをされているのはいつからですか?
元々、キラキラしたキャンパスライフをおくりたかったんですよね。
はあ……
通ってた大学にめっちゃキラキラしてるフリーペーパーの団体があって。
そこに入ったと。
いや、そこはキラキラし過ぎてて入れませんでした。
入ってないの!? 笑
そう、だから自分でやろうと思ったんです。
行動力はすごいですね……。それでどんな記事を書いてたんですか?
最初に書いたのは「かまぼこ板は下駄として使えるのか?」って記事で……
はい!? 笑
かまぼこ板を下駄として使えるか検証したんです。
もう面白い……昔からそういう「くだらないことを本気でやる」とか好きだったんですか?
そうですね。「デイリーポータルZ」の林さんが好きで、あの人の影響は大きいと思います。
なるほど、確かに林さんイズムは流れてそう!
その後も林さんのオススメ記事をいくつかご紹介いただきました
笑いのツボが共有できたことで、徐々に打ち解けてきました。
アイスブレイク完了ということで、いよいよ本題の“企画会議”をしていきましょう。
ただ、普通に企画会議をこの場でやっても、良いアイデアが出るとは限りません。
良いアイデアが出ないと、かのうしゃちょうの「秘訣」は分からないままです。
そこで今回はアイデアを考えやすい「場所」を提供したいと考えました。
さあ、さっそくお題を発表します!
え、バスに乗りながら企画会議するんですか?
はい、今回はいいアイデアを出すために「アイデアの4B」を巡るんです。
アイデアの4B?
これは「アイデアが出やすい」とされている4つの場所「Bus」「Bar」「Bathroom」「Bed」の頭文字をとったものです。
なるほど、それでバスに。え、ということはお風呂でも企画するんですか……?
まあ、そういうことですね。とりあえずテーマ発表します!
お風呂……
スッ
ジャーン
「受験勉強が捗る究極のストレス解消法」です!
受験勉強か……
どうかしました?
推薦だから、受験勉強してないのよ……
受験にこだわらなくてもいいですよ! かのうしゃちょうのストレス解消法を教えてください。
ストレス……
え、ストレス溜まらないんですか?
全然ないですね。
まじですか!
何でも寝たら忘れるから……
一番このお題に向いてない……!
……「ストレスプロレス」とかどうですか?
急に何ですか!? 笑
いや、こういう切り口に迷ったときは思い切ってダジャレに振り切るのがいいんですよ。
なるほど、それは一理ある。ちなみにその名前からどんなの連想します?
そうですね……なんか腹立つヤツとかが筋肉バスターとかでボコボコにされてほしい。
それはストレス解消になる! それデジタルでやったら面白そうじゃないですか。
デジタル?
画面上でプロレスが繰り広げられて、やられ役の顔はこらしめたい相手のアイコンとか顔写真にできるようにするんです!
あー、デジタル上でプロレス技キメてくれるのね!
そうです! 実際に今AV女優の顔をアニメのキャラとかにかえられる技術が存在するらしくて……!
すごいなそれ……
名前は「ストレスリング」でどうですか?
その名前いいね! 笑
なんか、ネコ使えないかな。
好きなんですか?
いや、とりあえずネコ出しときゃいいんでしょ?
暴論!!! 笑
ほら、ネコの動画とかみんな癒されるじゃないですか。
たしかに。それこそネコになら腹立つこと言われても許せます。
あ、苦手な上司からのチャットが全部ネコ語になるとかどう?
それいい! 笑
「お前は本当に使えないな!」とかも「使えないにゃ!」とかに変換されたら許せそうよね 笑
間違いない 笑
「外の風景を見ているとアイデアが出る」とのことで2人して窓の外を眺めています
ダジャレにするなら「イラッ」とかも使えそうですよね。
たしかにね。あ、「イラっすとや」とかどう? 笑
イラっすとや!! 笑
なんか全国からイラッとしたエピソード集めて、それをフリー素材にして公開できたらいいよね 笑
うんうん。「あおれるフリー素材」ですね 笑
自分の個人的な怒りがフリー素材になって、ダウンロードされた回数が多かったら「たくさん共感された」とも思えるしね。
すげえ! これめっちゃいい企画じゃないですか!
そうこうしているうちに目的地へ到着。
初対面とは思えない素敵な連携プレーも生まれて、なかなか素敵な時間でした。
続いては京都の木屋町にある「きゃばぁ」というBARにやってきました。
BARなんて殆ど行かない文化系2人には敷居が高過ぎる
さあ、まずはお題を発表します。
お題は場所ごとに違うんですね。
はい! 今から発表するのは「BAR」でのお題です!
スッ……
「スマホを使った有意義なお正月の過ごし方」です。さ、企画会議はじめましょう!
むずいなこれ……ちょっと考えさせて……
お正月と言えば何かな?
やっぱり「おみくじ」ですかね。
うんうん。
そういえば神社ってたくさんあるじゃないですか。
あるね。
でも、格式の高いところが一番おみくじの打率高いとは限らないでしょ?
うん。
だから、サブスクリプションで一定額払えば全国のおみくじが一斉に引けて、そのデータが登録されるから自分に合ってる神社が打率で分かるサービスとかどうですかね!
面白い!
神社のセカンドオピニオンみたいなものですね!
たしかに。いい名前がつくと企画になりそう!
名前か、サブスクのおみくじ……
……『さぶすくじ』とかいいんじゃない?
さぶすくじ!!! 笑
なんでBARはアイデアが出やすいの?
アルコールがリラックス効果をもたらすからみたいですよ
なるほどね……じゃあ、もう一杯飲みます。
「頭が良くなる甘いやつを」
なんですかその世界一頭の悪い注文!! 笑
頭が良くなるらしいお酒(焼酎をアールグレイで割っているそうです)
スマホって何に使ってます?
動画見るのが多いです。
動画か……。じゃあ『めでたい動画』とかかなあ。
めでたい動画か……
正月におめでたいものといえば「一富士二鷹三茄子」とか?
初夢か! だったら、絶対に初夢でその3つが出るように、延々と富士山で鷹が茄子つついてる動画配信したら『サブリミナル効果で演技のいい初夢が見れる動画』としてウケませんかね!
やばいねそれ! 笑
会話の内容と座る位置が完全に文化系な2人
そういえば「Uber eats」はよく使うな。
Uber系いいですね! あ、それこそ「初もうで代行サービス」いいんじゃないですか?
なるほど。
あんまり遠いとこまで初詣いくのしんどいけど、神社まで行って買ってくれるなら効果もサブスクよりありそうじゃないですか!
たしかに 笑
そしたらドライバーの情報にも「去年大吉当ててます」とか「ボランティアやってるから徳積んでます」ってあれば、縁起の良さそうなドライバーが人気出るんじゃないですか? 笑
宝くじのジンクスみたいに「このドライバーでます!」みたいなね 笑
名前も「Uberもうで」とかにしましょう!
BARもいい感じでザクザク出ましたね!
うん、さっきのは現実味もあってよかったね。
では、次の場所にいきましょう!
はい、次の場所にやってきました。Bathroomです!
この絵大丈夫……?
絵より、企画で勝負しましょう!
……
ではお題の発表です。
「ネットを使わない異性との新しい出会い方」です!
お風呂場で……
お風呂場で企画することあります?
いや、基本的にはカフェかな。ノートに1人で書きながら、時間も決めて。
どのぐらいで企画するんですか?
「30分で◯個企画する」みたいな感じで決めてやりますよ。
え、短い! そんな早くできるんですか?
めっちゃ機械的にアイデア出してるんで、もうやること決まってるんですよ。
そのやり方すごく気になります……!
あ、じゃあそれでやってみる?
やりましょう!
急遽ノートを持ち込みました
まず、アイデアは“組み合わせ”でしかないので、いろいろバーっと出して組合わせるという作業をします。
なるほど。
だから、とにかく組み合わせの元になるワードをたくさん出すフェーズと、組み合わせて企画にするフェーズで2つに完全に分けてやるんです。
分かりやすい。ワードを出すところはどうしてるんですか?
僕は「マンダラート」という方法を主に使っていて、まずノートに9マスの方眼を作って、中央に元になるお題の単語を入れるんですよ。例えば今回だと「出会い」とか「恋愛」とか。
実際にかのうしゃちょうが使っているノート(後日撮影)いくつものマンダラートが書かれています
こうやって升目にしてしまえば、埋めようとして自動的に連想していくでしょ。
たしかに。
そこで出てきたワードで深く掘ったら面白そうなものとか、また別のワードを今度は別のマンダラートの中央にして、さらに発散させるんです。
なるほど。
そして今度はお題とは関係ないワードをまた発散させます。
お題と関係ないワード?
そう、お題と関係ないワードと組み合わせると、斬新な企画になりやすいんです。僕の場合は大体「自分の好きなもの」とかを発散させることが多いですね。「ゼルダ飯」の時はゼルダにハマってたから、無理やりメディアのテーマ「節約」と「ゼルダ」を組み合わせようとして企画にしました。
なるほど!
あと、やっぱり好きなものをネタにすると面白くなりやすいよ。ゼルダ飯の時も細かく服装に拘ったシーンとかがゲームファンにウケていたんで。
そういう理由もあったんですね!
当時の「ゼルダ飯」を提案した時の企画書(実物)
組み合わせるときのコツとかってあるんですか?
基本的に組み合わせるときに選ぶものって人それぞれで、それが味になるんです。ただ、その組み合わせをより一層質の高い「企画」に昇華させるためには『ダジャレ』もよく使います。
確かにさっきの「さぶすくじ」とかもダジャレが完成するだけでグッときたみたいなところありますよね 笑
そうそう!
なるほど、勉強になるな……これで実際にやってみましょうか!
シンキングタイム(この時点で既に15分以上浸かっている)
はい終了〜〜〜〜〜〜〜!!
ふう。どんなの考えた?
自分は「井戸端会議」とか使えそうやなと思ってて。
良さそう。
実際に井戸みたいなオブジェを作って、その周りは愚痴を言っても良い空間にするんですよ。もちろん口外厳禁で。「嫌いなものの一致」って重要なことなんで、愚痴が合う人同士はミスマッチが少ないんじゃないかなって。
いいね! グランフロントの広場とかに井戸作りたい 笑
それいい! 笑
かのうしゃちょうのアイデアはどんな感じですか?
僕はね、とりあえず「食パン食べながら走ってぶつかる」ってのだけ思いついたよ。
漫画ですやん! でもそれ安全性とか担保して、新しい形の街コンイベントみたいにしたらできませんかね?
あー、防具みたいなのつけて? 笑
そうそう! アメフトの甲冑みたいなのつけて、あとはぶつかりやすいように巨大迷路でひたすら走らされるようにすればいいんですよ!
それも食パン咥えながらね 笑
あとはどうですか?
レシートで出てくるクーポンは使えそうやなって思ったよ。
その発想は無かった!
あれって膨大な顧客データがあるんでしょ、何買ったとか。だからそのデータに基づいてお互いに彼氏・彼女を求めてる人同士にはマッチング情報がクーポンみたいに出てきたらいいと思って。
それめっちゃいい! それこそ買い物のデータから趣味趣向がマッチした相手に出会えるわけですもんね。
ダメだ……そろそろのぼせてきた……
それもそうですね……ここへきてお風呂の弊害が……出ましょう。
※既に60分以上湯船に浸かっていました
さて、いよいよ最後のお題です。
眠たい……
頑張ってください! いきます!
「シャニカマがブレイクする方法」です!!!
なるほど。
完全にこのインタビューを私的利用しているんですが、どうしてもこれだけは考えたかったんです……
いいよ、やろう。
ありがとうございます!!
ベッドイン完了
シャニカマくんの“ブレイク”ってどんな状態なの?
自分の理想はずっと変わってなくて「みうらじゅん」なんですよ。
ブレないね、どの辺が理想なの?
やっぱり「生き様」ですね。
みうらじゅんの生き様……?
どこまでも偉そうにしないというか、滑稽であり続ける様というか、賢い話をしていても絶対に笑い所を忘れない姿勢が好きなんです。自分も面白くなりたいはずなのに、どうしても「賢く見られたい」とか「カッコつけたい」みたいな煩悩に勝てないときが多々あって、それって『人生をネタに昇華できてない』ってことなんです。『人生をネタに昇華する』を何十年も体現し続けているのが「みうらじゅん」なのかなと。
そ、そうなんだ……。
だから、別にみうらじゅんのマネがしたいとかじゃなくて、生き様に憧れているんです。やりたいことのテーマとかトンマナは全然違っていいというか。
なるほどなあ。シャニカマ的にどういう方向性でやりたいとかあるの?
それでいうと半年ぐらい無職だった時があって、その時に時間があり過ぎてnoteで連載してた「PMの極論」って企画は好きでした。
それはどういう内容だったの?
自分がプロマネの仕事を前職でしてたので、それをいかした「世の中のあらゆることを『プロジェクト』として見て勝手にマジレスする」って企画なんです。
はいはい。
例えば「ドラえもん」も「のび太を成長させるプロジェクト」として見たときに「のび太の課題ってワンパターンなのに、ドラえもんは打ち手変えるだけで根本的な原因の解決になってなくね?」とマジレスできるんです。
たしかに 笑
それで分析していったら、最終的に『ひみつ道具は70%カットできる』みたいな結論になりました。
面白そう!
実際にひみつ道具を勝手にカテゴライズしたり、分析したり、無駄なことに労力を割きまくってます。
うん、そこが面白いね! 他もあるの?
あとは『世界一ムダな会議「女子会」をPM視点で分析すると『アジェンダ』の重要性が分かった話』って記事がオススメです。
なにそれ! 笑
女子会ってあれだけ時間つかってるのに何の生産性もないから勿体ないと思ってて、実際に女子会に潜入して会話内容をデータ化したんです。
それ読ませて!
あ、はい!
これは……
どうですか……?
これは面白いよ。
やったぜ!!!
これは「くだらないことに全力」みたいな面白さもありつつ、「無駄に論理的」っていうシャニカマらしい部分も出てるからいいんじゃないかな。
ほんまですか! ありがとうございます! じゃあ、こういう記事のネタを一緒に考えて欲しいです!
そうだね、そうしよう。
好きな物って何なの? テーマにしたらテンション上がりそうな。
ざっくり「お笑い」ですかね。
あー、じゃあお笑いの中で「マジレスしたら面白そう」なことって何かある?
うーん……
あ、思いついた。
ん?
「裸芸人」って多いじゃないですか。アキラ100%とか小島よしおとか、ハリウッドザコシショウとか。
うん。
もしかするとお笑い芸人の“肌の露出度”って“メディアの露出度”に比例してたりしませんかね?
アハハハ! その切り口いいね! それを大真面目に肌の露出度とか測定して数字出してグラフ作ったりするんでしょ? 笑
そうです! 笑
あとはテクニックとして、もう少し分かりやすいツッコミ所を入れてあげるといいよ。たとえば逆に全然露出してない芸人を引き合いに出すとか。
あ、じゃあ「パペットマペット」とか比較しますか。
それいい! 笑
それでいうと、香川照之も好きなんですが、あの人の顔芸も論理的に分析したら面白そうですね。
おお、どういう風に?
例えば、あの人の顔芸って年々可動域が広がってる気がするので「香川照之の笑顔指数をデビュー作から徹底調査してみた」とかどうですかね。
笑顔指数はいいね! あとは笑顔指数にこじつけるテーマかな。
テーマか。「香川照之の笑顔指数と興行収入に関連性はあるのか?」とか「日本の幸福度と香川照之の笑顔指数に相関はあるのか?」とかどうすか? 笑
その後もBedでの企画会議は大いに盛り上がり、「ホストの鬼盛りヘアの盛り具合は指名率に比例するのか」「物理学的に一番飛び散らない小便の角度は?」などのアイデアが飛び出し、最終的に「一番エアバッグに適しているのおっぱいは何カップ?(エアバッグ乳)」や「乳首が蛍になったら衛星からの地球はどう見える?」といった正気の沙汰ではない企画まで誕生しました。
そして……。
かのうしゃちょう、就寝。
かのうしゃちょう、本当にいろいろとありがとうございました!
いえいえ、僕も楽しかった。
そう言ってもらえると嬉しいです! また企画について色々教えてください……!
あ、そうだ。最後にプレゼントがあってさ。
え?
はい、これ。
なんですか? これ。
それは佐藤ねじさんの「超ノート術」って本で、そこに昨日言ったマンダラート※とか全部書いてるから。俺のやり方は全部ねじさんのパクリだからさ。
※1987年に今泉浩晃によって考案された発想法
ほんとだ。マンダラート、マインドマップ……全部書いてる。いや、でも本に書いてる通りだからって、実践してものにできるまでは相当な努力や才能が必要なはず。この本を手に取ったのだって、かのうしゃちょうのセンスなんだ。
そういえば今朝、かのうしゃちょうはこんなことを語ってくれた。
「僕は面白い記事を書きたいと思ってるけど、必ずしも自分が出なきゃいけないとは思ってないんです。もっと面白くなるなら、別のライターが書いてもいいし、編集者として携わる方がいいとさえ思うこともある。」
昨日の企画会議を振り返ってみても、かのうしゃちょうは「この角度で見たらどうかな?」「このテーマはどうだろう?」と常に俯瞰した視点から良いパスを出し続けてくれていた。ゴールを誰が決めるかではなく、点数が入ることに意味があるんだ。
そんな高度なテクニック、本だけで身につくわけがない。
あれ……?
最後まで「俺はすごいだろ」と偉そうな素振りを一切見せず、『全部パクリだから』なんて言ってのける。どこまでも滑稽で、愛される存在。まさに私がみうらじゅんの背中に見たものが、かのうしゃちょうという人間からも見て取れたのでした。
(おわり)
はじめまして、今日はよろしくお願いします!