「本質」がないアイドルは生き残れない!【解剖ぱいぱいでか美】byふくもりみほ

狸山 みほたん

狸山みほたん

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みなさんこんにちは、みほたんことふくもりみほです。

普段私はライターとして記事を書く一方で、「オタフクガールズ」というユニットで地下アイドルとしても活動しています。

「地下アイドル兼ライター」というだけでもなかなか珍しい肩書きだとは思うのですが、吉本の養成所を出て3年ほど漫才をやっていた過去があったり、アンダーバストが80cm(だいたい店頭に並んでいるのはアンダー75cmまで)という驚異的胸囲の持ち主だったり、ガタイがよすぎて年に1回ペースで知らないおじさんに「君、何かやってたでしょ?」と絡まれたり。まぁ実際は器械体操をやっていたのでハンドスプリングくらいは出来たりするんですけど……。

比較的変わった経歴や特質を持ちすぎているせいで器用貧乏と言いますか……今の活動に全然活かせてないんですよ!

ライターも地下アイドルも、どちらも厳しい競争社会。
このままでは、一生埋もれたままになってしまうかもしれない!
とはいえ、この道を諦めたくはないし、どちらも頑張っていきたい! 日の目をみたい!
そんな私には、憧れの人がいるんです……!

それは……ぱいぱいでか美さんです。

「歌って踊れるバンドウーマン」として作詞作曲をしたり、ミュージシャンとして活動する一方で、2019年2月にはコラム連載をまとめた著書『桃色の半生!〜仲井優希がぱいぱいでか美になるまで〜』を出版。さらに人気深夜番組『有吉反省会』では、ひな壇レギュラー……。って、これぞ私の目指すべき人なんではないでしょうか?

しかも、私とでか美さんは同じ三重県出身。


そして関係者やファンにめっちゃ言われるのが、顔が似ている

そして、部屋で使っていたカーペットの柄が同じだったり、同じ神社で同じおみくじを引いていたり何か運命的な繋がりを感じるのです!

今の活動に、活路を見出すためにも、是非でか美さんにお話を聞かせてもらいたい!

「お願いです! 発売日に本も買ったし、ライブ現場に行ってチェキも撮ってるくらい、私でか美さんのことが好きなんです。でか美さんに会わせてください~!」と、編集長に熱烈にアピールしたところ……

なんと!会えました!

実はこの日、私は鷹匠の取材、そしてでか美さんはKINDAI GIRLSの取材で、2人とも同じタイミングで近畿大学にいたんです!奇跡!

ちなみに、前日の夜に突然インタビューすることが決まったので、心臓ドッキドキのバックバク。

というわけで、近畿大学近くのゲームセンターにてインタビュースタートです。

でか美さん、お疲れ様です!! あ、それ新衣装ですよね! まさかライブで見るより先に見ちゃうとは……めっちゃ可愛いですね。あ~緊張する~!!

大丈夫?(笑)

すみません、緊張して仕方ないんでゲーセンにいることだし、一緒に踊ってくれませんか?


何これ矢印とかないしムズい! 全然私の知ってるやつじゃない!


わーい!!!! とやりつつ、まだ表情がガチガチの私

ふぅ、ありがとうございました。今回は音楽活動も執筆活動もされているでか美さんに色々お話を聞かせてもらって、今後の参考にできればと思います。よろしくお願いします!

私で参考になるかは、わかりませんが精一杯アドバイスしますね!

お誘いメールに出演料交渉、フリーランスは舐められる


息ぴったり度99%を叩きだす

でか美さんは今は事務所に所属されていますが、元々はフリーで活動されてたんですよね。大変なことってやっぱりありましたか?

フリーランスだから舐められてて、仕事用のメールアドレスにデートのお誘いとか来てましたよ。

めちゃくちゃ露骨!

後ろ盾がないからこんなメールが来るんだって思って、自分で本当はいないマネージャーのフリして「こういったことはやめてください」って返事したことある! で、そういうところに力を使いたくなくて事務所に入ることを決めたんですよね。

なるほど、面倒なことが起こっても事務所の人に対応してもらえますもんね。

あとはオファー受けたイベントの出演料の交渉を自分でするのがやらしいってのいうもあって。

確かに……! 私、この前初めて「出演料いくらですか」って聞かれて焦りました。

ちなみに、私はメールアドレスも公開してて、DMも解放してるんですけど、変なメッセージとかほとんど来ないんですよね。

みほたんに何かしたら、晒されそうだからじゃない?

どこでそんなイメージ付いたんですかね? うちのメンバーはファンでも業界人でもない、一般男性から「どこ住み?」ってDMが来たこととかあるらしいです。

メンバーの子は水着着てるからじゃないかな。私も水着着ることあるから……やっぱ露出が多いとそういう絡みされやすいかもしれない。

繋がり目的じゃなくて、アンチからもメッセージとか来ますか?

めちゃくちゃあった。男性のタレントさんとかと仕事で絡むと、相手のファンから批判のメールやメッセージが来ることはあるかな。流石に事務所に入った今は滅多にないけど。

エゴサの鬼、手動「いいね」のぱいぱいでか美

インスタグラムもメッセージを送れますけど、そっちはどうですか?

来たメッセージが良い内容だったら、返信はしないけどその人の投稿ページに行って、最新の投稿に「いいね」をするようにしてます。

「見てますよ」感! でか美さんは自分の名前をエゴサして「いいね」巡回もしてますよね~! 私もエゴサするんですけど、名前がそこまで特殊じゃないから難しいんですよね。ちょっと改名したいなって定期的に考えます。

あ~、でも周りのアイドルの子で、色々悩んだ結果改名して、結局戻しちゃう子とかもいるんですよね。

うーん、難しいですよね……。

そういえば、私がエゴサして「いいね」するっていうのが結構知られてるから、気になる子のアカウントを特定するためにも使えるらしくて……気になる子に『ぱいぱいでか美ってツイートすると「いいね」が来るらしいよ』って話をしてつぶやかせて特定する人もいるみたいで。

「ぱいぱいでか美」にそんな使い方があったとは! 怖い怖い!

あと、昼休みくらいの時間に、女子高生っぽいアイコンで「ぱいぱいでか美」って急に何個もツイートされてて、アカウント見に行ったらみんな同じ学校ぽくて……おそらく誰が最初に「いいね」されるかって話をしてたんだろうなーとか(笑)

それはちょっと微笑ましい! でも、そうやって反応したり、アカウント見に行ったりするって、Twitter好きじゃないとそうそう出来ないと思います。

SNS大好き。スマホ依存がひどすぎるから、もう辞めたい(笑)

好きなことを発信し続けたら、憧れの人に会えた

でか美さんは、コラムのお仕事もされていますよね。文章を書くのは元々好きだったんですか?

昔から読書感想文とか、日記とか……文章を書くことが好きだったんですよ。

『桃色の半生!』めっちゃ良かったです!

Amazon:『桃色の半生!〜仲井優希がぱいぱいでか美になるまで〜』

素で喋っているような口調で書いているのに、言いたいことがまとまっていて、でか美さんらしさが出まくってるから思いがすごく伝わってくるし……。あと、自分は記事を書く時に「おわりに」って部分で一番悩んじゃうので、最近は本の結びとか最後のページに注目してるんですけど、そこもちゃんと結ばれていて本当にすごいと思いました(早口)。

うれしー! 話しかけるような書き方しかできないんですよね。

幼少期の話から始まり、進学校に行って専門学校に進んで……波乱万丈ではないけど、ちゃんと波がある道のりをしっかりまとめられてて……本当に頭がいい!って思いました。

みほたんは、私よりよっぽど色んな職業経験してるんだから、そういう経験をもっと書いたらいいのに!

光栄なお言葉~! でも……結局全部身になってないから色々経てるだけと言いますか……。その点、でか美さんは好きなことをちゃんと自分の仕事にしていますよね。どうやって仕事を増やしていったんですか?

その都度「こういう仕事がやりたい!」っていうのをめちゃくちゃSNSに書くようにしているんです。例えば、作詞作曲をすると、自分でブログに※ライナーノーツを書いて……これはつんく♂さんがやってるからっていうのもあるんだけど……そのライナーノーツの最後に「こういう感じで曲作ってるんで、是非!」みたいなのを毎回書いてたら、作詞のお仕事とかももらえるようになって。

※楽曲の解説文。通常はアーティスト本人ではなく、音楽ライターや関係者が執筆する

うお~! 強い! 確かに、でか美さんは自分の好きなことをめちゃくちゃ発信してますよね。

本当に好きなものだけしか言わないっていうルールがあって。好きなアニメとかもあるけど、もっと好きな人や知識がすごい人がいるからね。ハロプロに関しては自信があるから、「好き」って言うようにしてます。

確かにハロプロに関する投稿もそうですけど、KindaiPicksで書いていた入学式の記事の熱量もすごかったですよね。

あの記事を書くことになったのも、イベントで人間編集部さんと一緒になった時に「ハロプロとつんく♂さんが大好きで、KINDAI GIRLSの楽曲も好きなんです」という話をしたことがきっかけで……。

それも「好き」ってちゃんと言った結果ですね。

取材の時に敬愛するつんく♂さんにもご挨拶出来て、自分のCDもお渡しして……本当に夢みたいで、取材中なのに耐えきれず泣いてしまって。

写真見ました! でか美さんの表情から喜び、感動、緊張、全部が伝わってきてその場にいないのにもらい泣きしそうでした。

ハロプロヲタク号泣!つんく♂プロデュースの近大入学式にぱいぱいでか美が潜入【KINDAI GIRLS】

「容れ物」だけのアイドルは淘汰され、「本質」が生き残る

考えさせられるニュースも多いアイドル業界ですが、今後どうなっていくと思いますか?

今はネットやSNSで誰でも有名になれる時代だけど、だからこそボロも出やすいじゃないですか。私の場合は「本質」と「容れ物」という見方をしていて、「本質」しか好きになれないんですよ。

本質と容れ物?

なんていうか、「バズる」みたいなのは誰でも出来ると思うんだけど、生き残るためには浅はかではダメなんですよ。特に最近は「お客さんやリスナーの知性を見くびるなよ」って思っていて……見抜く人は見抜くんです。

確かに、裏側の黒い部分が見えてしまったり、簡単にルール違反しちゃったり……色んな嫌なニュースを見るたびに「アイドルってこんなんだっけ?」と思うことはあります。

「容れ物」だけで売れても、結局同じような第二の「容れ物」が来たらファンはそっちに流れてしまう。だから、生き残るためには「本質」が大事。私がハロプロを好きなのも、脈々と受け継がれた楽曲と、パフォーマンスという本質的な部分から来ているんですよね。

確かに、ハロプロの方達を見ていると本質的なプロ精神を感じます。

目の前のバズとか、自分が特別な何かになりたいっていうのに飛びつくんじゃなくて、自分が育ってきた環境とか自分が好きなものを大切にする。そして、自分の中にある核みたいなものを蕾にして、花を咲かせる。それが売れることに繋がるのかなって思います。

テレビに出てる人って、見てる人からは浅はかに見えるかもしれないけど、売れてる人はちゃんと自分の芯とかやりたいことがブレてない人が多いと思うんですよね。だからアイドルも今後はそうなっていくんじゃないかなーって。

確かに、自分はやりたいことや経歴が色々あるのに、それを全然アピールできてなくて売れてない。そして、でか美さんは上手く出せてるから、売れている。違いが分かりやすいかも。

私もめちゃくちゃ売れてるワケじゃないけどね!ていうか全然売れてない。私も頑張らないとと思っているからいろいろ考えてやってる部分はあります。みほたんもパーソナルな部分出していきましょうよー!

うお~! もっと出していきます! そういえば、でか美さんの本で「タレントでやっていきたいからバイトを辞めたら仕事が増えた」っていうのを読んで、私もひとつバイト辞めました。

バイト辞めた時もめちゃくちゃ大々的アピールしたよ。ハロプロの卒業発表ブログと同じ形式で「ぱいぱいでか美の大切なお知らせ」ってタイトルでブログ書いて……そしたらオファーも増えて。

全てにおいてアピールめっちゃ大事ですね! 今後の活動に関して、こうしていきたいっていうのはありますか?

いま色々やっていることを、もっと売れているステージに押し上げたいですね。

これからも応援しています! ありがとうございました!

おわりに

これからの自分にとって、ためになるお話を沢山聞くことが出来て良かったです。
好きなこと、やりたいことを口に出すというのは本当に大切で、今回のインタビューも人間編集部で『桃色の半生!』を片手に「ぱいぱいでか美さんが好きなんです!」とアピールしたおかげで実現しています。

でか美さんはインタビューでの答えもしっかりまとまっていて、言うことがブレていなくて、やはり信頼できる人だと再確認することが出来ました。

人前に立つ活動をしていると自分のことを知ってくれている人が少しずつ増えていきます。
そのせいか、5年前の自分を知らなかった人、去年の自分を知らなかった人、先月の自分を知らなかった人がいるんだということを忘れそうな時もあります。
自分自身を売り物にしているからこそ、やりたいことやこれまでの経験を日々アップデートして発信していかなければと再確認しました。

今年は売れたい! 人気者になりたい! みなさん、ぜひともお仕事をください!

(おわり)

写真:西島本元
企画・編集:人間編集部
取材協力:あうとばぁん

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