いきなり探検隊の格好で失礼します。野性のエロ本捜索隊・隊長のロマンです。

最近街を歩いていて、ふと思ったんですよ。

「野生のエロ本」に出会う機会がめっきり減ったと思いませんか？

昔は路地裏や公園、川沿いや高架下……など、いろんな場所に「野生のエロ本」が生息していました。しかし、現在はインターネットの普及に加え、若者雑誌離れも加速。2019年の8月末には、セブンイレブンとローソンからエロ本が撤去されました。つまり、野生どころかエロ本自体が絶滅しそうになっているんです。

僕は幼少期に自身の居住区で野性のエロ本を探し回り、見つけた場所を地図にマッピング。そして、無数のマッピングをされた地図を「宝地図」と呼ぶほどに野性のエロ本探しに熱を注いでいました。

そこで……

今や絶滅の危機に瀕している「野生のエロ本」の現状を調査すべく、人間編集部で「野生のエロ本捜索隊」を結成。隊員を募集したところ………2019年8月11日（日）猛暑のお盆休みにも関わらず総勢22名の精鋭が集まってくれました。

発明家に医師、NPO法人の代表や、ホテルの副支配人、介護士さん……と、参加者も個性的な方ばかり！エロってスゴい。

「野生のエロ本」の生息地は水辺や薄暗い場所！？

「鶴橋・玉造あたりはアツいと思うねん」と考察する、株式会社人間の社長で隊員の花岡さん。

本当は大阪市内全域を搜索したかったのですが、1日で全部を探し切るには隊員数も足りない。というわけで、今回は3人1組のチームで7区を重点的に探すことに。

基本的に野生のエロ本は、水辺や暗い場所を好む傾向があり、河川敷、公衆トイレ、ガード下や橋の袂、池や湖などで発見されるケースが多い。さらには、小学生や中学生が隠し場所として使いがちな、学校周辺の公園。単身者が多そうな築古アパート周辺でも見つかりやすいのです。

隊員全員で意見を出し合い、今回の調査区域に決めたのはコチラ！

果たして、野生のエロ本に出会うことはできるのでしょうか？

※本企画は「野生のエロ本は絶滅してしまったのか」という街の調査であり、エロ本販売・不法投棄を支援・応援する活動ではございません。発見しても収集はせず、不法投棄物並びに遺失物に関する法律と大阪市が定めるルールに順し、報告する予定です。

炎天下のなか、第1回・野生のエロ本捜索スタート！

捜索隊本部を出て、12時から一斉に捜索スタート。出発前にLINEグループを作り、各チームの同行はオンタイムで共有されながらイベントは進行します。開始から十数分、早速動きがあったのは、阿倍野区チーム！

ん……？野生のコンドーム……！？

野生のエロ本を通り越して、野生のコンドームを発見。想像を掻き立てるアイテムではあるものの、コンドームは絶滅危惧種ではない！残念……！しかし、野生のエロ本発見の機運も高まった気がするゾ！

西区の本部から自転車でスタートした、中央区チーム。「公園&水場がアツイ」という理由から、大阪城公園へ直行。しかし、大阪城公園は手入れが行き届いており、ペットボトルや空き缶すら落ちていない状態。もはや、公園に野生のエロ本は生息していないのか……？！

と……ここで？！

広小路公園の植え込みの中で紙の塊を発見……！

確かに雑誌のようだが、劣化が激しく野生のエロ本と断定することはできませんでした。惜しい……！

続いて、動きがあったのは、大阪きっての下町・東成区の捜索班。

おそらく子どもが摘んで並べたであろうお花を発見。それを見て「きっとエロい儀式」と、野生のエロ本捜索隊らしい発言が飛び出します。

西成区チームは、西成区の中でも最もディープなあいりん地区の捜査を開始。まずは三角公園へ。

向かってみたものの、数日後に夏祭りがおこなわれるということもあり、野生のエロ本はおろか、ゴミすらも落ちていない状態。

ちなみに、あいりん地区は求人情報誌がよく落ちているため、一瞬「エロ本か！？」と、惑わされることがしばしば……。

なにか食べ物が入っていたであろう器とコーヒー、求人情報誌のセット。きっと仕事を求めている人が……という物語が想像できます。

そして、探検隊の格好をしてウロウロしていたため、道端で缶チューハイを飲んでいたおっちゃんに話しかけられます。

その結果、「エロ本は子どもじゃないと見つけられないんだよ」という名言をいただく。確かに、僕らは大人。「野生のエロ本は大人には見えないト○ロのような存在」という、可能性が浮上。

ここで、隊長率いる大正区にも動きが……！

おそらく、小学生が書いたであろう、野生のお手紙。残念がら、エロ本とはかけ離れているモノなのにも関わらず「成長途中だから、これからエロ本に育つ」と、いった暴論が飛び交います。しかし、野生のエロ本認定はならず……！

さらに大正区チームは、「野生の炊飯器」を発見！「ふたつあるってことは、オスメスつがいだ」「これは、エロい」と、妄想が加速し、チーム内では激烈に盛り上がったものの、野生のエロ本ではないので、スルー。

東淀川チームは淀川・神崎川の河川敷を中心に捜索。

BBQをしていた淀川区民のみなさん。

たまたま、BBQをしていた淀川区民に遭遇し、話を聞いてみると「昔はこの辺にもめっちゃ落ちてたんですよ。それこそ向こう岸のあそことか！」と、情報をゲット。

しかし、時代の流れか、橋の袂など野生のエロ本生息域が封鎖。川周辺は美化が進み、ゴミすらほとんど落ちていない状態に……。

そんな環境の中、唯一発見したのはオナホールの抜け殻！

天王寺チームは、天王寺駅周辺のホテル街が怪しいと捜索してみたものの、野生のエロ本には出会えず。方向性を変えて「なぜエロ本を捨てるのか……」と、哲学的な側面からの考察を試みたものの……

大阪市長から感謝状を授与されるほど、公園は環境整備が充実しているのを目の当たりに。

街が美しくなるのは、素晴らしいこと！でも、なんだか寂しい……。

線路沿いも封鎖されていました。

各チームが懸命に捜索をおこなうが、気づけば時刻は14時半。無情にも野生のエロ本の発見数はゼロのまま、刻一刻と時間が過ぎていく……。

もしかしたら、本当に野生のエロ本は絶滅してしまったのか……？と、諦めムードすら漂いはじめます。

ついに！怒涛の発見ラッシュが到来！

東成区チームが鶴橋周辺の高架下で、野生のピンクチラシを発見。これまでで一番近いモノの発見に、捜索隊全員が野生のエロ本の存在にも期待しはじめます！

そして、その数分後……

中央区チームが、野生のエロ本を発見！！！！！！！！！

こちらが記念すべき野生のエロ本第1号の『CITY PRESS』1991年1月号！

なんと、30年前の風俗情報誌がこんなに綺麗な状態で落ちているとは……。時をかけるエロ本か！？

東京三世社から出版されていた、日本全国を網羅する風俗情報誌。調べてみると、当時の風俗情報が得られる貴重な一冊ゆえ現在もファンが多く、高額で取引されている様子！

LINEグループのタイムラインもグッと盛り上がりを見せます！

そして、その2分後に……！

中央区チームが『俺だけ入れる隠しダンジョン』の1巻を発見。エロ本とするにはいささか過激度は低いので、こちらは「野生のちょっとエッチな漫画」に認定。

1冊目は道端の植え込み、2冊目は路肩……と、野生のエロ本の生息地としては、目立ちすぎる場所での発見。

これまで、公園や水辺ばかりを捜索していた各チームが「最近は野生のエロ本の生態系が変わってきたのかもしれない」と、捜索エリアを住宅地や道路沿いに変更していきます。

さらに、その数分後、阿倍野区チームからも吉報が！

こちらが、記念すべき野生のエロDVD1本目！2017年発売のレズものAV『変態アナル レズビアン』を発見。ポピュラーなAVではなく、レズものの発見とは……！今回のイベントは、野生のエロ本捜索がメインですが、番外編として、野生のエロDVDに認定！

発見した隊員のあかさんも思わずガッツポーズ！野生のエロとの出会いは、人をここまで笑顔にさせるのだ。エロってやっぱりスゴい！

突然の発見ラッシュに全チームが湧くなか、ついに東成区チームが大発見を……！

植え込みに群れの状態でピットインする本の束。

さらに、近寄ってみると……

「罠にハメられた恥」との見出しが！これは完全に野生のエロ本の群れ！！！！！

まごうことなき、野生のエロ本の群れ！！！！！！！！！！！

「野生のエロ本は群れで生息しているレアケースもある」と、ルール説明時に話したものの、まさか、本当に群れで発見できるとは……！しかも「熟女」「五十路」など趣味嗜好が見えるラインナップ。なかには「介護モノ」まで……。きっとエッチなおじいちゃんが所持していたものでしょう！わからないけど、エッチなおじいちゃん！ありがとう！

ちなみに野生のエロ本の群れを発見した隊員のしーちゃんいわく、西成区チームから報告があった「エロ本は子どもにしか見つけられない」という名言をヒントに、姿勢を低くして子どもの目線で探してみたところ、群れを発見したとのこと！西成のおっちゃんもありがとう！

怒涛の発見ラッシュも長くは続かず、日も傾いてきたところで探索タイムが終了！

猛暑の探索終了！結果発表〜〜〜！

本部へ戻り、それぞれの捜査区域の結果発表。

結果としては、7冊の野生のエロ本と1本の野生のエロDVDを発見できました！

令和元年の世に、野生のエロ本は生息していました！！！！！！

各地域の総評

野生のエロ本捜索のポイント

・夏場は草の生育によって、発見を妨げられる
・ホームレスが多い地域は、落ちていそうで落ちていない
・ほとんどの公園は整備されていて、ゴミすらも少ない
・第六感が芽生えて「ここは怪しい」と、判断できるスキルが身につく
・ツチノコ探しに近い面白さがある
・違う目線で街を見ることができる

発見した時のなんとも言えない嬉しさや、他チームに先をこされた悔しさ、普段は気づけない街の変化にも気づけたり……
「野生のエロ本捜索」は、大人になってもめちゃくちゃ楽しい！！

野生のエロ本は存在した！しかし、絶滅は近い気がする……

「本当に見つかるのか……？」と、疑心暗鬼でスタートした企画でしたが、ちゃんと見つかって良かった。

しかし、ガード下や河川敷など野生のエロ本頻出ポイントはバリケードで封鎖されている場所が多く、僕らの思春期のように「野生のエロ本がめっちゃ落ちている」ということはありませんでした。「本当に野生のエロ本は絶滅の危機にあるのだなぁ」と、痛感した次第です。時代の流れって恐ろしい……。

そして、なにより悔しかったのは、隊長の僕自身が野生のエロ本を見つけられなかったこと。やっぱり、自分で見つけて「エロ本あったぞおおおおお！」って言いたかった……！

そして、参加者のみなさんから「最高に楽しかったからまたやりたい！」「大人になって無邪気にエロを語れる友人ができてよかった！」「次回の開催はいつですか？」……と、嬉しいお声をいただきました。

第2回も必ず開催いたします！

そして、なんと！今回の野生のエロ本搜索が、AbemaTVのニュース帯番組『AbemaPrime』の9月6日（金）に放送されました！

今月コンビニから消えた成人雑誌。子どもや女性、訪日外国人客などのイメージ低下を避ける狙いがあります。サブカルを支えた一大カルチャーの未来は？
※見逃し配信が観られるのは、9月13日（金）21:00まで！

コンビニからエロ本が無くなることをフックに、エロ本について様々な観点から考察する特集。『全裸監督』でも話題のハメ撮りの帝王・村西とおる氏も登場しています。

あらためて、隊員たちが目をキラキラさせて真剣にエロ本を搜索している姿を見て、ちょっと泣きそうになりました。

そして、VTRを見たコメンテーターの乙武氏からは「なんか感動する作りでしたけど、世界一くだらないVTRですよね」と、最高の褒め言葉も頂きました（笑）

なにはともあれ、大の大人がエロ本を搜索するという無謀な企画に、炎天下の中ご協力いただいたみなさん！！ありがとうございました！！！

(おわり)